秋の初めごろから街中や河川のあらゆるところで目立ち始める大型の黄色い植物を見たことがないという人はいないと思います。セイタカアワダチソウと言う植物なのですが彼らは外来種らしい圧倒的な勢力で周辺の陣取り合戦に勝利します。
この黄色い綿のような雰囲気の花こそセイタカアワダチソウです。意外と多くの方がオオブタクサと間違えているので、私も驚いてしまいましたが、オオブタクサは9月頃によく見られますね。ブタクサ花粉症の方はこの花ではなく、オオブタクサに怒りをぶつけましょう。
ところでこの植物ですが、線路沿い、河川沿い、荒れ地どこをみても群衆で遭遇します。それが彼らの戦略なのです。
ざっくりまとめると彼らはアレロパシーと言う植物の成長を阻害する物質を分泌するため、周囲に他の植物が育ちにくい環境を作るのです。
花がこちらです。名前に泡立ちとあるように、まるでもこもこと泡が湧くような姿をしています。彼らは菊の仲間であるため、実は小さな1つ1つの花が集合した花を持ちます。つまりこの写真だけでも数百の花が付いているようなとんでもない数の花と言うことです。
晩秋の寒い季節に花を咲かせることも賢いですね。今の季節に花の蜜と食べるような虫たちに取って、これだけたくさんの花が咲いているのはとても魅力的です。そしてライバルとなる花も少ないので花粉を運んでくれる虫たちがたくさん訪れてくれるのです。
晴の日にこの花を見てみると、とても賑やかな羽音が辺りには響いていますよ。
さらに拡大してみましょう。
ここが本当の花の部分です。ひらひらとした舌状花(ぜつじょうか)と筒のような筒状花(とうじょうか)が見えるでしょうか?
これだけたくさんの花があるわけですから、できる種の数はとんでもないことになります。冬になると、ぬいぐるみの中に詰められた綿のようにもこもことした種がたくさんついていますよ。あれだけ種があれば色々な場所に侵入するのも納得せざるを得ません。
植物の中には最初に話したように成長阻害物質を出すものがいます。今回のセイタカアワダチソウもそうですが、もしあまりにもまとまっている植物を見かけたらもしかするとアレロパシーによるものかもしれませんよ。