引っ付き虫と言えば秋ごろにとげとげの実を投げ合って服に付けあった思い出をお持ちの方も多いことでしょう。小さな針のような姿を持つのですが、先端に返しがあるので、服の繊維などに張り付くんですよね。
実は同じような種が春に見られるんですよ。ヤブジラミと言う植物の仲間です!
この拡大具合から想像できるように小さな引っ付き虫です。しかし、引っ掛ける部分が赤のような紫色のような色合いでとても綺麗ですね。
ヤブジラミの仲間は春先ごろに白い小さな花を咲かせるセリの仲間です。セリと言えば爽やかな香りが楽しめる七草の1種でしたよね。その仲間です。
故に花の雰囲気は秋に見る引っ付き虫たちとはかなり違います。
柄から伸びた小さな花を無数に付ける点がセリの仲間によく見られる特徴です。ちょうど写真の花の雰囲気がたくさんあると思ってみてください。
そしてそんな花付きの良さだからこそまとまって引っ付く種をつけます。
大きく拡大してみました。背景にも紫色がありますね。密度の高さが分かります。
種の紫色の部分は針のようにぴんと張っているわけではなく、先端がかぎ状になっており、マジックテープのようにバリバリと服に貼り付けることができます。少々曲がり具合が分かりにくいですかね?
これではどうでしょうか。ここまでくると美しい色合いが人工的に作り出されたかのようにしか見えませんね。先端がグッと曲がっているのを確認してみてください。これを利用して動物に張り付き、新たな環境を目指します。小さい種ですがそこは数で賄うのがきっと彼らの戦略なのでしょうね。
せっかくですから彼らの戦略に引っかかってみましょう。
少し触れただけで張り付いてきました。数十mも移動してしまえば真下に種を落とすよりもずっと遠くに移動できますね。
皆様もこのような種を見かけたら、少しくっつけてみて彼らの持つ知恵を体験してみてくださいね。
引っ付き虫が好きな人は秋のオナモミと言う植物の種も好きかもしれません。
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