あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

スイカを逆にしたような色の花 ベニバナボロギク

あいかわ公園の駐車場で虫を探していると、おや?こんな花いつの間に咲いたんだ?と、とある植物を見つけました。その植物の名前はベニバナボロギク。濁点が多くついつい口ずさみたくなってしまう語感の良さが魅力の植物です。語感だけでなく花もちゃんと魅力的ですよ。地味ですが。
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ベニバナボロギクと言う名前の通りこの植物は菊の仲間です。この筒のような形をした蕾に見えるものが実はお花であり、これで満開状態です。キク科の仲間では度々見られる筒状花(とうじょうか)と呼ばれる形ですね。こんな花ですが私はアイスのスイカバーの色彩を逆にしたようで好きです。そしてなによりベニバナボロギクという語感が好きです。
キクの仲間は種もよくできるため、花が咲いていれば他のどこかで種がもうできていることも多いです。ここでも種ができていましたので見てみましょう。
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やはりキク科なのでタンポポと同じように多数の綿毛を持っていますね。その付け根にある黒い部分が種です。タンポポよりもふわっとしている印象を個人的には受けます。ここから種が飛んで園内でベニバナボロギクがより見られるようになるかもしれませんね。
これだけ多数のタネをつけるわけですから花もたくさんあるわけです。この花も他のキク科と同じく花全体が1つの花のように見えて、実際には小さな花が集合して1つの花を作っています。難しそうですが見てみましょう。
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ベニバナボロギクの花の場合、この上部に飛び出ている部分はおしべとめしべです。つまりそれぞれの根元に花が付いていることになります。1つのめしべから種ができることを想像すればこれだけたくさんの花ができることは想像できますね。
この花は実は外来種なのですが、伐採や火災の跡の開けた土地に真っ先に入るパイオニア植物です。あいかわ公園の南駐車場でも木が倒された後の植込みに生えていました。真っ先に入ることでライバルがいない中成長できるわけですね。非常に賢い植物と言えます。逆に言えばこの植物がみられるような場所では山火事、森林伐採などの森林環境が一度リセットされた可能性が疑えるわけです。面白いですね!

このように植物には生える場所、好む環境がそれぞれあります。恐らく植物に非常に詳しくなれば植物の種類を聞いただけで森林環境がイメージできるようになるのだと思います。それはなかなか難しそうですが、1種類の生活環境を知ることは簡単なので、皆様もぜひベニバナボロギクを探してみてくださいね。