本格的に寒くなってきましたね。植物達も自然の変化を感じ取って、すっかりと冬の姿になりました。そして今の季節だからこそ楽しめるのが冬芽(ふゆめ)の観察です。興味のある方はいつもたくさんの葉をつけているあの植物たちの今の姿を再確認してみましょう。特に枝先に注目です!
これが冬芽です。芽とあるように、これは来年再び葉を広げる部分なのです。寒い冬をこのような形で過ごし、また暖かい気候がやってくるのを待っているのですね。この冬芽は非常にマニアックなテーマではあるものの、植物ごとに大きな違いが見られるのでとても面白いのです。形もたくさんあるんですよ。
あいかわ公園の冬芽の中でも特に目を引くのはコブシの冬芽でしょう。先ほどの爪のような芽と違い、なんともこもこしているのです。
習字の筆のような質感を持ったコブシの冬芽は、なでてみるとまさに皆様が想像しているような滑らかな肌触りで、猫や犬を撫でているかのような心地よさがあります。大きな冬芽なのですが、これを切り開いてみるとぐるりと巻くように葉が入っています。
そしてコブシの場合冬芽にはもう1つの面白い特徴があります。先ほどの大きなもこもこは花をつける芽なのです!芽の時点で花と葉が決まっているんですね。
せっかくなので葉をつける冬芽も見てみましょう。
同じコブシの芽でも全然違いますよね。細長い形をして毛の量も少ないのが特徴と言えるでしょうか。コブシの花を見たことがある人は想像いやすいと思いますが、コブシの花と言うのは枝の先端に咲きます。
このように冬芽だけを見ていても気づかないようなことが花の時の姿などから想像できるのも冬芽の面白い所ですね。自然の情報をどんどん蓄えていくことで、その時は意味がないように思える知識が後々繋がってくるのです。
例えばコブシはモクレンと言う植物の仲間なのですが、冬芽の写真を見てみると付け根の部分にぐるりと線状に一周する模様が付いています。
この些細ながらも見落としてしまうようなポイントを見ることで何の仲間かが分かってしまうんですね。見様もぜひ、細部にこだわって注目してみてください。そのポイントがいつか何かに繋がってくると思いますよ。