あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

ドクガが出始めました

今年に入ってから蛾に結構興味がわいているのですが、さすがに触れない種類もいます。それがこの子たち
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羽に付いた点模様からゴマフリドクガであろうと判断しました。皆様も小さめで、頭部に毛があり、横から見た時に背中の方へトゲのような毛が生えている蛾には注意してください。
ドクガの仲間には毒針毛(どくしんもう)と呼ばれる毒を持ったやわらかい毛を持つものと持たないもの、そして、成虫には毒はないが幼虫の時に持っていた毒針毛を体にこすり付けて毒を持っているように見える種類がいます。後者は成虫になるときの繭に毛を擦り付けておくそうです。賢いですね。

ゴマフリドクガは後者のタイプになるので時がたてば毒がなくなるようです。試す勇気はないですが(笑)
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パークセンターの壁では変わった色の蛾を見つけました。同じく頭の方に毛を持っていますが残念ながら種類の特定ができていません。ドクガに似ていますがどうやら違うようです。
蝶と違って知らないとリスクがあるのが怖い所ですね。これからの季節はツバキの仲間に発生するチャドクガに注意が必要です。気をつけましょう。


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花にはコチャバネセセリと思われる蝶が夢中で蜜を吸っています。食事に夢中の蝶は近づいて写真を撮らせてくれるので好きです。羽の点模様がまばらで翅の筋に沿って濃い線模様が走っているのが特徴です。セセリチョウの仲間は早く飛ぶため急に現れるとびっくりするのですが、じっくり見てみるととてもかわいらしいですね。身近に見られるイチモンジセセリやチャバネセセリと比べると見かける機会は少な目かもしれません。



あいかわ公園 山野草図鑑
5/13日   あいかわ公園山野草図鑑 白色の花にエゴノキハクウンボクドクダミヒトリシズカフタリシズカ その他色にコバンソウ、赤色にヒメスイバを追加しました。 公園で見られる植物を色ごとに紹介しています。現在はパソコンだとカテゴリー分けが分かりやすいです。

花では難しいキク科?

先日の記事では同じに見えるキク科の花のタイプを紹介しましたが今回の記事では同じタイプの種類を持つ花を比較してみましょう。
例えばこんな子達です。

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舌状花(舌のような花)を中心とした黄色のキク科のお花はどれも非常に似ています。花だけに注目してしまうと間違えること間違いなし! 
なので花以外のポイントに注目して比べてみてみましょう。
例えばこの2種類ですが
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実は全く同じに見えるこの2種類も種類が違います。難しいですね。
それぞれ左がジシバリ右がオオジシバリと呼ばれています。
ところがあるポイントを見てしまえば簡単に見分けることができるのです。それがこの植物の葉っぱになります。


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ジシバリの葉は写真のように柄がわずかにつき先が丸くなります。
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ところがオオジシバリの場合には粘土ヘラのように先は細長くそして手元へ行くにつれて細くなるという形をとります。
花では全く判断が付かなくとも植物として全体を見てしまえば簡単に見分けられることがよくわかりますね。植物は花に目が行きがちですが花以外のポイントもとても面白いですよ。

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写真のオニノゲシはどうでしょうか?花は似ていますよね。葉にある最大の特徴は何でしょう

そうです!見ての通り痛そうなとげがたくさん生えていますね!
どうでしょうか?写真は3種類だけで最初は同じように見えていた花でも改めてみると違う花だと認識できる気がしませんか?
花で分からないときはそれ以外のポイントに注目して調べてみてくださいね!




あいかわ公園 山野草図鑑
あいかわ公園山野草図鑑 白色の花にエゴノキハクウンボクドクダミヒトリシズカフタリシズカ その他色にコバンソウ、赤色にヒメスイバを追加しました。

キク科の花は何が違う?

植物を野外で見ていると似たものが多くて困ってしまうことが多いと思います。特にイネ科とキク科には似たものが多く困るのですが、今日はキク科に注目してみましょう。
まずキク科には大きく2種類の花があります。知っていましたか?
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皆様おなじみのタンポポは舌状花(ぜつじょうか)と呼ばれるキク科に見られるまず1つの花のみでできている花です。以前の記事で紹介しましたがタンポポは1つの花ではなく、小さな舌状花がたくさん集まって一つの花のように見えているんでしたね。
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もう1つが筒状花(とうじょうか)です。見た目の通り筒のような形をした花のみで作られているのが筒状花の特徴です。花っぽい華やかさはないものが多いです。写真はノボロギクなのですが、これで咲いています。

ここで質問です。絵で花を簡単に書くとき皆様はどんな花を描きますか?


私は丸い円に花弁をちょんちょんと描いた、小学校の先生がテストでいい点を取ったときに書いてくれるような花丸の花を書きます。
ちょうどこのようなイメージです。
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皆様の絵描きでイメージしたお花に近いでしょうか?
ではここで改めてこの花を見てみましょう。この花は先ほどの舌状花と筒状花のどちらの花になるでしょう?


答えは両方なのです。中心の黄色を見てみてください。まるでノボロギクのようですね。外側の白い所を見てみるとタンポポのようですね!
これで筒状花と舌状花、そしてその両方を持つキク科のお花が分かるようになりましたね。見比べてみると結構違うように思えませんか?
花の種類が違うものは簡単にわかるのでお散歩のときなどにどれに該当するのか探してみてくださいね。

明日は同じ花の種類を持つ厄介そうなキク科を見比べてみましょう。

葉の大きさ選手権 1番大きな葉を持つのは誰だ?

植物を見分けていくときに分かりやすい1つのポイントが葉の大きさです。
様々な形と大きさの葉があり、絞り込んでいくのには葉の大きさ以外のことにも注目する必要がありますが、ある程度絞ることはできます。
早速公園の植物と手を比べてみましょう。
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皆様がイメージする一般的な葉の大きさより少し大きいくらいでしょうか?ずいぶんと形にも特徴がある葉ですね。
この植物には決定的な分かりやすいポイントがあるのですが分かるでしょうか?


実はふよふよと漂うかのような茎が最大の分かりやすいポイントです。 フジなどと同じくつる性植物なのです。葉の大きさ、形、そしてつる性植物 そこまで分かってしまえば図鑑でも簡単に調べられますよね! ちなみにこれはツヅラフジと呼ばれ、山の方で見られる植物です。馴染みのない種類だと思います。


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ツヅラフジよりも大きくなりました。私の手のひら位あります。これくらいの葉は結構見かけるため判断に悩む種類です。パークセンター前に植えられているミツマタなのですが、ミツマタには枝が3つに分かれる特徴があるため葉以外を見たほうが種類を絞るのに役立ちます。


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大きさで分かりやすい種が今葉を広げたばかりのこの植物です。
日本の樹木で最大の葉を持つホオノキは、大きいものでは人の顔が平気で隠れてしまいます。これくらい大きい葉であれば葉の大きさを見ただけでも分かりそうですね。この葉ではそれぞれの葉が私の手の2.5倍くらい(つまり34cmくらいかと)の葉が計7枚もついていますので端から端までの大きさが60cm以上にもなります。
特徴的な葉の大きさの植物を覚えてそこから種類を絞り込んでみるのも面白いですよ。実物大の葉の図鑑を利用してみると分かりやすいですね!

花壇に生える植物 その2

花壇などの人為的な環境で目立つ植物を紹介しています。
花壇には定期的な水やりがあることから湿った環境を好むような植物が生えていることを先日お伝えしました。
そしてやはりそのような環境を好む植物がたくさん見られます。
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花の時期が終わり、何やら目立つのは変に立ち上がる剣の鞘のような植物です。これは大根などのお友達であるミチタネツケバナという植物なのですが、外で見つけたら指ではじいてみましょう。 そうすると種がはじけ飛びます。

面白いのは種に粘着力があるため弾けた勢いで指や布などにくっつくのです。このような種の飛ばし方なので辺り一面にたくさん生えるわけですね。
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庭や外などを歩いていてこの植物を見たことがない人は恐らくいないでしょう。それほど身近な外来種がこのハルジオン、ヒメジョオンです。2種は非常に似ているため見つけたら見分けてみましょう。

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皆様は葉の付き方というのを気にしたことがありますか? 実は見分けるときに大きく役立つことが多いのです。写真はハルジオンの茎なのですが茎を抱っこするように葉の根元が付いていますね。ヒメジョオンはこのように茎を抱きません。
花がたくさんあるようなら茎を折ってみましょう。
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中身はいったいどうなっているでしょうか?
空洞になっていればハルジオンです。中身が詰まっていたらヒメジョオンです。面白い違いですね! 
この花を見つけることがあればぜひ上の2つのポイントに注目して、植物を見分ける体験をしてみてくださいね。

花壇に生える植物たち

先日は日当たりのよい場所でよく見られる植物を紹介しました。
本日は人の手が入る場所に生える植物です。よくいえば人と共存していると悪く言えば勝手に入ってくるともいえるかもしれませんね。
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パークセンター付近のネモフィラやラベンダーが植えてある花壇です。この辺にはどんな植物が生えているのでしょうか?
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人の活動がある場所ではこの独特の臭気を放つドクダミがかなり出てきます。ドクダミは水分の多い土地を好むのですが、なぜ日当たりのよい花壇に出られるのでしょうか。それはもちろん毎日水が与えられて乾燥することがないからでしょう。ですのであいかわ公園の花壇はもちろん家の庭などにも定着して困っている方も多いのではないでしょうか。人をうまく利用していますね。


辺りを覆うのはもちろんこの草です。
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低く辺りを埋め尽くすツクシことスギナです。春先にちょびっとでたツクシを放っておくと一大事になります。ツクシの根はかなり地中深くまで潜るため一度入られると取り除くのは困難です。花壇を作るときに用いる砂に種が含まれている可能性があるため予防できないこともあります。逆にいうと花壇で見られる植物は土に種が含まれるものが多いので大抵似たようなものになります。(外来種が気づいたら畑に出たりするのはこのため)

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馴染み深いぺんぺん草ことナズナも花壇や昨日の記事のエリアで簡単に見つけられます。種が三味線のバチのようになっているのでわかりやすいですね。
日当たりのよい場所では比較的よく見つかりますよ。

環境によって変わる植物たち

このブログをご覧の皆様は直射日光は好きでしょうか。それとも日陰がお好きですか?
植物にも同じように好む環境というのがあります。そこで今回の記事ではあいかわ公園の一部を例にとってどんな植物が代表的に見られるのかを見て行こうかと思います。
パークセンター前の日当たりのいい環境から見ていきましょう。
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日当たりのいい場所で芝生が生えているような付近では大抵みられる植物も同じです。
写真では白い丸模様の何かが目立っていますね。これは最近紹介したクローバーことシロツメクサです。
f:id:aikawa_park:20200503144552j:plain花も葉もおなじみの植物ですね。この環境でよく見られます。シロツメクサに負けないくらい見られるのがこちら。
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オオバコもメジャーな植物ですよね。茎を使った引っ張り相撲などでおなじみです。オオバコは種子に粘着力があり、人に踏まれることで靴に種をつけて種を運ぶ面白い植物なんですよ。薬用効果もあり、食用にも利用できる万能な植物ですね!
この2種類は芝生エリアなら大抵どこでも見つかります。

今の季節ですとどこでも見られる彼らに加えて少し変わった植物も生えています。
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それがニワゼキショウです。見知った顔の中に知らないかをがポツリと出てくるような感覚が楽しい そんなプチ発見を楽しめるのが日当たりのよい芝生エリアの植物たちですね。芝生は広いので陣取り合戦のように花が自分たちのエリアをキレイに染め上げて主張している そんな様子が見られます。日影がないからこそのびのびとできるんでしょうね!

明日は人の手が入った花壇を見て行こうと思います。