あいかわ公園で見ることができるお花たちをまとめた図鑑です。
スマホを片手に、お花の色から見た花を調べてみてください。
黄色いお花
カタバミ(カタバミ科):3枚のハート形の葉をつけるかわいい葉を持ちます。シュウ酸と呼ばれる酸を含むので汚れた10円玉を葉っぱの汁で綺麗にする実験が楽しめます。園芸種も豊富で明るい紫色のムラサキカタバミや濃い紫色のイモカタバミなどがよく見られます。同じ葉の形なのでじっくりみてみましょう。カタバミの葉は就眠運動という行動をとります。夜には葉を閉じ、昼には葉を広げ太陽の光を浴びるのです。午前中には閉じた葉を見ることができますよ。
全体的に赤いアカカタバミも生えています。
ヤマブキ(バラ科):比較的大きめな黄色い花をつける。しなだれるように花をつけるので遠目から見ると綺麗な半円のような形で線ができていることも多い。
バラ科の花は5枚の花弁を持ち、おしべの数がとても多いものが多いため、花を意識してみてあげるとバラ科の仲間は種類が分かりやすいです。黄色い種は葉が互い違いに生えますが、白花種は葉が対になって生える面白い特徴があります。葉の段階でも色が見分けられるんですね。
ヘビイチゴ(バラ科):人間は食べずへびしか食べないなどといううわさがたてられるイチゴです。果実の時期においしそうな実をつけますが、味はほとんどしません。似た仲間が非常に多く、見分けるのが難しい1種です。ヤブヘビイチゴとは葉の先がとがるかどうかで判断すると分かりやすいかと思います。
キブシ(キブシ科):湿った沢沿いなどに生え、黄色い尻尾のような花を咲かせます。よくみると花びらは4枚で、それぞれが立ち上がることで筒のような形状になっています。キブシはキフジとも呼ばれ、5月頃に花を咲かせるフジのような見た目を例えたと言われています。一方でブシには五倍子(ブシ)という読みがあり、木に含まれる渋み成分であるタンニンの含有量が多いものに五倍子(ブシ)が付けられます。
オニノゲシ(キク科):ノゲシとオニノゲシが見られますが、葉がギザギザとげとげしていればオニノゲシです。また、葉の付け根部分がぐるっとまいたような形をしているのも特徴的です。花の中央は筒状で、外周は舌のような形をしています。2種類の花が組み合わさって1つの花になっています。
ヒュウガミズキ(マンサク科):3月頃に広場の奥で黄色のカーテンのように咲き乱れます。似た仲間としてトサミズキがあげられますが、見分けるポイントは花の数と花の中心の雄しべの色です。ヒュウガミズキは花が2、3個で花粉の色が黄色であるのに対し、トサミズキは花が7個ほどで花粉が赤くなります。
ヤブタビラコ(キク科):園内色々なところで見られます。似た花が多いのですが花の大きさや花びらの数、花をちぎって毛が付いているかどうかという点で見分けられます。ヤブタビラコは花が小さくちぎっても毛が付いていません。
ノボロギク(キク科):花が咲きそうだと思っていると花の時期が終わってしまっているのがこのノボロギクです。写真の状態でノボロギクは100%咲いている状態です。緑色の指し色に黄色が入っているようで、よくみるとなかなか渋いお花だと思います。あいかわ公園の駐車場で見かけられますので探してみてください。
ハハコグサ(キク科):春の七草に含まれる植物です。七草で読まれるときにはゴギョウの名で呼ばれていますので、ハハコグサという名にはあまりなじみがないかもしれません。タンポポとはことなり、筒状のお花をたくさんつけます。葉っぱは薄い毛が生えておりいかにも柔らかそうでおいしそうな見た目をしています。
ジシバリ(キク科):キク科の花がどれも同じに見えてくる現象があります。花と一緒に葉を見てあげると違いが明確にわかりますよ。ジシバリは名の通り、地面を縛っているかのように見えるほど大量に生えることから名付けられています。冒険の森入口の斜面辺りではまさにその名が示す通りの光景を見ることができますのでスマホの画面と照らし合わせながら探してみてください。
ヤシャブシ(カバノキ科):春先に松ぼっくりのような形の花をつけます。大きいものが雄花で、写真には写っていませんが小さいものが雌花になります。この雄花と雌花の並び順でヤシャブシ、ヒメヤシャブシ、オオバヤシャブシを見分けることができます。先端に雄花が来ている場合この時点でオオバヤシャブシは除外され、あとは花の形でヤシャブシだと分かります。ヒメヤシャブシはねこじゃらしのような花なのです。
マンサク(マンサク科):早春真っ先に咲く花がこのマンサクです。ヒモのようなお花は学校のイベントで使う紙飾りのような繊細さです。あいかわ公園では黄色と赤色の2種類のマンサクを見ることができます。春先の4月辺りではもう散ってしまっているので早めに見に行く準備をしに行かないといけませんね。
コナスビ(サクラソウ科):サクラソウの仲間では最も身近な種類かもしれません。花の後につく実の様子がナスに似ていることから名付けられています。少し薄暗い場所のほうがよく見つかります。あいかわ公園では冒険の森入口と森のわたり橋の間の薄暗いエリアで良く見つかります。
フキ(キク科):早春にだすフキノトウが非常に有名な植物。フキには雌花と雄花があり、黄色なら雄花で白色なら雌花と分かります。天然のフキをてんぷらにするととても強い香りとほろ苦さを味わえるので、暖かくなって伸びる前に一度味わってみるのをお勧めします。
紫色の花
ムラサキケマン(ケシ科):変な名前は仏具のケマンの事を指す。細長い花は、ビロードツリアブなどの細長い口をもつ昆虫に蜜を吸わせ、花粉を運んでもらうためのものです。あいかわ公園にはありませんが黄色いキケマンや青いヤマエンゴサクなど似た形の花が春にみられます。
シロヤブケマン(ケシ科):ムラサキケマンの白花です。花の細長い部分が白く、花先だけ紫色になるものを見つけたらシロヤブケマンです。ムラサキケマンの中にポツリと混じっていたりするため、じっくり見比べてみると観察するのがより楽しくなると思います。
ジロボウエンゴサク(ケシ科):葉や花が見られるのは、春の時期だけです。ほかの季節は地中にある根茎で過ごします。写真の花の付け根に緑色の部分があるのが見えるでしょうか?ここが生クリームのような形ならジロボウエンゴサクで、お寿司に入るバランのように切れ込んでいればヤマエンゴサクです。
オオアラセイトウ(アブラナ科):オオアラセイトウ、ショカッサイ、ムラサキハナナなどたくさんの呼び名があります。上に2枚下に2枚の綺麗な対称形をとるのはアブラナ科の花の特徴です。遠目から見るとスミレにも見えますがスミレは花弁が5枚あります。風の子橋の上から見ることができます。
ヒメスミレ(スミレ科):日当たりのよい所を好む最小のスミレの仲間です。花は1cm程度でかなり小型です。横から見ると細長くなっており、ケシ科の花と同じようにビロードツリアブなどの口の長い虫に花粉を運んでもらいます。花びらは上に2枚左右に1枚下側に1枚が基本の形です。
タチツボスミレ(スミレ科):スミレの仲間で最も普通に見られる種類がこのタチツボスミレです。下側の花びらに模様が入ったり、白が強かったり色の違いを楽しむことができます。1つ1つの花をしっかりみてあげると、タチツボスミレの持つ顔の違いに気づけると思いますよ。写真は、花の縁に白い線が入ったお気に入りの1枚です。絵のようですね!
キランソウ(シソ科):上に1枚下に1枚の花を持ちます。おしべが上についているのが面白い所で、蜜を吸うために大きな下の花びらに虫が乗るとその重みで花が下に傾き、虫の背中に花粉をつけるという戦略を持った賢いお花です。地面にべたっと生える様子を地中深くにあるとされる地獄への蓋と考え、ジゴクノカマノフタという別名があります。
モモイロキランソウ(シソ科):あいかわ公園で初めてみかけたものがこちらのキランソウの桃色です。突然変異なのか分かりませんが数年植物を見てきて初めて見かけました。濃い紫のキランソウと比べると正直同じ花とは思えないくらいの美しさがあります。花の斜面で見られます。
ヒメオドリコソウ(シソ科):上の花びらを踊っている人の頭に、舌の花びらを手に見立てた花です。ピンク色の花がぐるっと葉を一周するようにたくさんつきます。シソ科の植物は葉に特殊な香りを持つものが多いです。この植物は個人的にはピーナッツに似た香りがするのですが、いまいち賛同を得られません。皆様で香りを確かめてみてください。
カキドオシ(シソ科):垣根を通すように地を這うその様子から名付けられています。見つけたらぜひ葉の様子を見てください。カキドオシは香りが強く、葉を乾燥させてお茶にして飲むことができます。花はキランソウなどと比べてもかなり大きいです。1.5cm位は超えてきます。日当たりの悪い場所が好きなのでふれあい広場の奥などが見やすいです。
ホトケノザ(シソ科):ヒメオドリコソウと似ていますが、花の色はより濃い紫です。春の七草にホトケノザがありますが、あれは本種ではありません。花を見つけたら葉も見てあげてください。まるで人が座る座布団のような形をしています。ここに仏さまが座ると考えたのが名前の由来です。
トキワハゼ(ゴマノハグサ科):ときわとは永遠の事を指します。つまりこの花は四季を問わず見ることができることから名付けられています。ムラサキサギゴケというとても似た花があります。写真ではわからないですが大きさが全然違います。花全体の色味もトキワハゼは白がベースとなっています。見比べてみてください。
ムラサキサギゴケ(ゴマノハグサ科):トキワハゼと似た花ですが、基本的に花の色が違います。また、花の上側に同じ色の出っ張りがあるのが見えるでしょうか。ここに切れ込みが入るのもムラサキサギゴケの見分けるポイントです。ふれあい広場子供トイレの横で見ることができます。
ウラシマソウ(サトイモ科):春の奇妙な花第一弾です。花の入口のような所から浦島太郎の釣り竿に見立てられた長いヒモのようなもの(付属体という)が飛び出します。花自体も不思議なもので、写真の中に本物の花は映っていません。本当の花は、花のように見える紫色の部分の内側、このひものようなものの付け根にあります。
ミミガタテンナンショウ(サトイモ科):春の奇妙な花第2弾です。ウラシマソウと同じく本当の花は写真中央のレバーのような部分の付け根にあります。花に見える周りの紫の部分を、仏様の背景に描かれる炎に見立てて仏炎苞(ぶつえんほう)と呼びます。ミズバショウなどが有名ですね。サトイモ科に見られる特有の形です。花には雄雌があります。仏炎苞の下側をのぞいてみると、雄には花粉をつけた虫を脱出させる穴が付いています。雌にはありませんので入った虫は花を受粉させて死ぬしかありません。
ヒメウズ(キンポウゲ科):烏頭とはトリカブトの事を指します。つまり小さなトリカブトということです。全草に毒を持つ植物ですが、その見た目は非常にかわいらしくなっています。根を掘ると根茎がありますがこの辺の特徴はトリカブトと同じです。
ムスカリ(ユリ科):園芸種ですがその見た目から非常に目立ちます。花には粘り気があり、虫に粘り気をつけることで花粉を効率よく運んでもらえるようにしています。花の中でもこのようなつぼ型の花は、虫に花粉を運んでもらう種類が多いです。
ランヨウアオイ(ウマノスズクサ科):徳川家の紋様で有名なフタバアオイのお友達です。日本全国で見ることができるのは、あいかわ公園が位置する丹沢山塊周辺のみです。花のように見える部分は実は花ではなく、ガクと呼ばれる葉です。つまり葉が花の役割を持っているということです。希少な植物でありながら普通に歩いているだけでは花を見つけることはできません。なぜなら葉の根元に花をつけるからです。手でかき分けてあげないと花は見られないのです!
マツバウンラン(ゴマノハグサ科):ウンランにはいくつか種類がありますが、名前の由来には葉の形が関係しています。松の葉のように細いマツバウンランとツタの葉のように地を這うツタバウンランが有名です。街中で見かけるの紫色のウンランはこの2種類です。黄色のホソバウンランは夏の終わりごろに見つかります。