植物は秋になると葉を紅葉させて落とすというイメージを持っていませんか?
もちろんそのようにふるまう植物も多いです。ところが冬になっても葉をつけたままの植物を見かける機会もありますよね。彼らは葉を変えたりしないのでしょうか?そこで今日は常緑樹をみてみましょう。
広場に生えているクスノキを紹介します。以前の自然観察ガイドイベントでは葉をちぎって香りを嗅いでもらうことで人気だったクスノキですね。スパイスのシナモンとお友達なのです。
実は既に写真で変化がみられるのですが気づきましたか?まだの方は色に注目してみましょう。
そうです。濃い緑色と淡い緑色の2種類が見られますね。これこそまさに新葉を広げた後なのです。濃い緑は去年の葉ですね。
比較してみると新葉はいかにも柔らかそうです。あとは広げたばかりなのでまだ小さいですね。常緑樹は落葉樹(秋に葉を落とす)と違い、一気に葉を落とすことはしません。ですが古い葉を持ち続けることもしないのです。密かに新葉を広げることは分かりましたね。では古い葉はいったいどうするのでしょうか?
クスノキ全体を見てみると2色の緑以外にも色があることに気づきます。
このように赤や黄色とまさに紅葉のような色合いをしているではないですか!
枯れてしまった葉でしょうか?
常緑樹はこのように古い葉を少しずつ落としていくんですね。それは一気に葉を落としてしまうと光合成ができず栄養を取れなくなってしまうかもしれないからです。このようなポイントに注目してみないといつも同じ葉をつけている植物のように見えてしまいますね!
ちなみにですがクスノキの古い葉には小さな凸凹があったりします。これはダニ室といって葉っぱの中にダニが住み着いているのです。3枚目は分かりやすいですね。
一枚の葉からたくさんの情報が得られました。ぜひ自然の中ではたくさんの疑問を持って接してみてくださいね。
あいかわ公園 山野草図鑑
5/17あいかわ公園山野草図鑑 白色の花にハリエンジュ、サルナシ 黄色の花にブタナを追加しました。
サルナシの花は見る機会が少ないと思います。