あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

小さなカブトムシ コカブトはミヤマクワガタよりも珍しい

夏の大人気昆虫と言えばカブトムシですよね。子供のころに家族で虫取りに挑戦した記憶のある方も多いのではないでしょうか?
カブトムシと言えば大きな角を持ち、ずっしりとした戦車のような見た目をイメージしますよね。ところがこんなかわいいカブトムシもいるのです。
f:id:aikawa_park:20200711084126j:plain
こちらが小さなカブトムシことコカブトです。名前も初めて聞いたという方が多いのではないでしょうか?それもそのはずで、カブトムシが樹液を食べるのに対し、このコカブトはなんと!ほかの昆虫の死骸を食べるという性質の違いがあります。

ですので樹液を探す夏場の昆虫採集ではなかなか見つけられないというわけですね。加えてなかなかいません狙って探すのはちょっと難しい位にはいません。なので運が良ければ出会えるかもしれませんね!
夜に街灯などの明かりを見て回るといるかもしれませんよ。

そんなコカブトですがカブトムシの仲間なので自慢の角が生えています!この点で他のカナブンやコガネムシの仲間とは簡単に見分けられますね。
f:id:aikawa_park:20200711084633j:plain
正面から見るとこのような雰囲気です。どうでしょうか?小さい角とはいえこれが逆にサイの角のように見えて重戦車感を増している気がします。

さらなる特徴として写真中央付近の部分に注目してみてください。この部分が凹んでいるのもコカブトの特徴です。フンコロガシの仲間にこういった角を持つ仲間がいるのですが、この2点に注目すればばっちり分かりますね。ちなみに雌も頭部が凹んでいますので分かりやすいですよ。
f:id:aikawa_park:20200711084920j:plain
いったいなぜこの部分が凹んでいるのか不思議ですね。きっとメリットがあることは間違いないと思うのですが...。
そして目もとてもつぶらな瞳をしています。性格もとても臆病なようで逃げるのが速いですよ。
コカブトは名前に小と付くように非常に大きさが小さいです。普通のカブトムシは大きいもので8cm程もの大きさになりますが、コカブトは雄でも2cm程の大きさです。
f:id:aikawa_park:20200711085329j:plain
写真では伝わりにくいかもしれませんが、足にも注目してみると分かりやすいです。カナブンの仲間と比べ妙にとげとげしています。
カブトムシをミニチュア模型にしたようなかわいらしいコカブトは、今現在パークセンターにて飼育中ですので公園を訪れた際には見て行ってくださいね!

あいかわ公園の虫に興味の湧いた方は↓のカテゴリーから虫の黒三角形を押すことでクワガタや蝶などの種類別に記事を読むことができます。事前に採りたい虫を探すもよし、園内で何をとるか決めるもよし! 様々な虫とそれを取るための情報が盛りだくさんです!

虫取り中はとげのある植物に注意 ママコノシリヌグイと言う植物のトゲ

夏の虫取りに夢中になるあまりうっかりケガをしてしまうことがあります。特に草でありながら鋭いトゲを持つような植物には注意が必要です。
今日はあいかわ公園で虫取りをする際にうっかりケガをしてしまうかもしれない植物を紹介します。知識を備えて安全に虫取りを楽しめるといいですね。
まずは美しい花にはトゲがある ことをその身で表してくれているママコノシリヌグイと言う植物です。
f:id:aikawa_park:20200711090515j:plain
ピンクと白の紙風船を思わせるようなかわいい花は思わず摘みたくなってしまいますよね。所がそこに踏み入るのは危ないかもしれません!生えている葉っぱに注目してみましょう。

なんとこのようにきれいな見た目からは想像できないほどの下向きの鋭いトゲが生えています。バッタ採りに夢中になってこのママコノシリヌグイの生えている場所に突っ込んでしまうと足を上げた時に下向きのトゲが見事に刺さる可能性があります。石小屋ダムの方面や、広場の川側では要注意ですよ。
葉っぱが邪魔だからと破ろうとしても思うつぼです。なんと葉の裏のつかみやすい真裏にトゲが生えているのです。人間の習性を読んでいるかのような名探偵植物ですね。

ママコノシリヌグイは生える場所が限られていますが、こちらの植物は日当たりのよい場所ならどこでも生える可能性があるためさらに注意が必要です。
それがこのワルナスビと言う植物です。道路わきなどにも生えている厄介な雑草です。ふれあい広場の奥、バッタがよく見られる場所でたくさん生えているのでケガをしないように気をつけましょう。

結構面白い花をしています。花をよく見てみるとバナナのようなものが付いており、非常にかわいいのです。
ところがトゲはママコノシリヌグイ以上に鋭いです。しかも辺り一面このワルナスビが埋め尽くしているような場所もあります。知らずに突っ込んでしまうと危ないので要注意ですよ。
幸いにも今の季節は花が咲いていますので、ワルナスビと言う植物を見分けるのは簡単です。白い花にバナナで覚えましょう!(紫花もある)
事前に危ない植物を覚えておいてうっかり遊んでいる最中にケガをしないよう気を付けてあいかわ公園の自然を楽しんでいってくださいね。

赤い茎が目立つ植物エノキグサ その葉はエノキにそっくり?

今日は夏に見られる面白い雑草を紹介したいと思います。夏の草地や荒れ地などではエノキグサと呼ばれる面白い植物が見られます。皆様も恐らく見かけたことがあるはずです。
f:id:aikawa_park:20200708081743j:plain
このどこにでもありそうな外見は見分けるのに苦労しそうですよね。しかし夏ならばとある部分を見ることで簡単に見分けることができます。怪しい草を見かけたら上からではなく横から覗いてみましょう。
そうするとこのような不思議なものを見つけることができるはずです。
f:id:aikawa_park:20200708083246j:plain
大きな葉の裏側には蕾のような丸いものとそれを包むかのように大きな葉のようなものがくっついています。実はエノキグサはこの部分が花であり、赤色のきりたんぽのようなかわいい花をつけます。お皿のような葉っぱは花単体(花1つ1つ)ではなく花全体を守っているため苞(ほう)と呼ばれます。ガクとホウ、そして花弁の違いは難しい所ですよね。
しかしながらなかなか面白い形の花をしています。皆様の知っている花の種類でこのような変な形の花があるでしょうか?こう他に変わりが利かない形と言いますか
例えばこんな植物ですとか
f:id:aikawa_park:20200708084522j:plain
こちらはナツトウダイで三日月型の蜜を出す部分が特徴的です。
コニシキソウの記事で出たこのトウダイグサも変な形のお花でしたね。
f:id:aikawa_park:20200628095351j:plain
独特な花の形をもつ種類が多いのがこのトウダイグサ科なのです。エノキグサの場合は彼らとは花の形が違うのでぱっと見はトウダイグサ科に見えないかもしれませんね!

身近に生えるトウダイグサの仲間ことエノキグサですが、名前の由来がとても面白いです。植物は見た目などの情報から名付けられることが結構多いのですがこの植物はエノキと言う樹木に由来します。エノキの葉の形が浮かぶ人は少ないと思いますので見比べてみましょう!

f:id:aikawa_park:20200708115358j:plainf:id:aikawa_park:20200708081743j:plain

2種を比べてみるとどうでしょうか?左がエノキ右がエノキグサです。縁にあるギザギザの感じと葉の形が似ていることに気が付けるでしょうか?
これはもうこの2種類はお友達同士で間違いないですよね! ところがエノキはアサ科でエノキグサはトウダイグサ科です。こんなにそっくりなのに遠い親戚なんですね。逆に名前の似たパターンでも本当にお友達同士のパターンもあります。植物は難しいですね!

赤い花 ネムノキの花とおしべの不思議

f:id:aikawa_park:20200704141606j:plain
初夏の野外でひときわ目立つ花と言えばこのネムノキで間違いないでしょう。

白と赤色のお花はとても爽やかな印象を与えてくれますよね。

ここで質問なのですが、上の文章を読んでいて実はおかしなところがあります。一体どこだと思いますか?





実は白と赤色のお花と言う部分は間違いなのです!

ではこの部分はいったい何なのでしょうか?その答えは間近で見てみると簡単にわかってしまいます。赤色の部分を近くで撮ってみました。
f:id:aikawa_park:20200708093216j:plain
これがネムノキの赤色の部分です。

先端に注目してみたのですが、なにやら丸いものがくっついていますね。この部分はなんと花粉が付いています。

ということは皆様が花だと思っている部分は実は雄しべだったのです!遠目から見たらどう見てもこの部分がお花ですよね。

となると次の疑問が浮かび上がってきます。ではネムノキの本当のお花はどうなっているのでしょうか?
f:id:aikawa_park:20200708093630j:plain
この全体写真の中のどこかにネムノキの本当のお花があります。赤い部分が雄しべなわけですから、雄しべをたどっていくとたどり着くのは...
f:id:aikawa_park:20200708093737j:plain
この部分ですね。

よく注目してみると緑色の部分が5つに分かれています。

つまりネムノキは5枚の花弁を持つ緑色のお花であったわけですね!

ここで植物知識を持っていたり、このブログを読んでくださっている方の中には度々登場するガクが頭をよぎった方もいるかもしれません。

そんな時には花の根元もしっかり確認しておきましょう。
f:id:aikawa_park:20200708094221j:plain
写真左側の緑色が濃い部分がガクです。

このことも5枚に分かれている部分が花であることを証明していますね。ガクは1つの花を支えるものなので花1つ1つにつくのです。

もしである場合はこの部分に付きます。
f:id:aikawa_park:20200708094619j:plain
丁度写真の黒い物体がある辺りにすべての花を支えるように付きます。

苞とガクの違いがイメージできたでしょうか?このポイントが分かるとドクダミの白い部分やヤマボウシの白い部分がガクではなく苞である理由が分かるようになりますよ。

ネムノキはマメ科の中でも変わったお花を持つ面白いお花なので今の季節にぜひ探してゆっくり観察してみてくださいね! 風の子橋や石小屋ダムの方面で見ることができますよ。

地面に生えるパン 有毒キノコのヒメカタショウロに注意

ふれあい広場の芝生の上を歩いていると、地面からパンが生えているのを発見しました。見た目はゴマを振り忘れたアンパンのようです。
f:id:aikawa_park:20200705093341j:plain
懐かしいお菓子のボーロのような雰囲気もしていますね。

お子様連れの方は間違えて口に入れることが無いよう注意する必要があります。
なんとこの落ちたお菓子のようなものはキノコの仲間なのです! しかも毒キノコというトラップもしかけてあります。

ところで身近なキノコを想像してみて欲しいのですが、イメージされたキノコと比べると形が少しおかしいと思います。 の部分がありませんね。

大きくなっても柄は生えてきません。そういうキノコなのです。
f:id:aikawa_park:20200705093956j:plain
ぶちっと引き抜いて確認してみると、足元には白いひも状のものがあります。これは菌糸で、トリュフの仲間に見られる特徴です。

ただし!このヒメカタショウロは毒キノコであるため口に入れてはいけませんよ!

トリュフはショウロと呼ばれるのですが松露の名の通り松林に生えます。

芝生には生えませんので気をつけましょう。
ヒメカタショウロなどのニセショウロの仲間には面白い特徴があります。触った後は手を洗うことを条件に割ってみましょう。
f:id:aikawa_park:20200705094433j:plain
すると中には白色~黒色のモノトーンカラーの物質が詰まっています。

小さいものでは白、大きいものでは黒色になるようで、非常にざらざらしています。

卵ボーロのような見た目だと思ったら中身もそのまんまですね。

ちなみにこのキノコですが結構しっかりとした固さがあります。見つけた時には少し押してみると中身が詰まっている感覚が伝わるかと思いますよ。
f:id:aikawa_park:20200705131550j:plain
しかし見れば見るほどにパンのような見た目をしていますね。今回紹介したのはニセショウロの仲間でしたが、もう少し時期が進むと食パンに似たキノコ(ノウタケ)も出てきます。キノコ探しが楽しい季節がやってきましたね!

あいかわ公園の自然に興味の湧いた方は↓のカテゴリーからたくさんの記事を読むことができます。
虫に植物、動物の痕跡から普通は入れない場所まで様々な記事がありますよ。

シバフタケやシロソウメンタケ 芝生に生えるキノコ達

茶色いキノコや白いキノコは似たものがたくさん

梅雨の時期と言えばやはりキノコは欠かせません。

種類が分からなくとも見つけるとついつい見てしまう可愛いキノコたちが続々と出てきています。


そんな中キノコがたくさん見られる楽園を発見しました。
f:id:aikawa_park:20200704092400j:plain
現場はこちらです。ふれあい広場の植込みがある場所です。これの足元がまさかのキノコパラダイスだったのです!
f:id:aikawa_park:20200704092525j:plain
日本庭園にありそうな傘型のキノコを発見しました。

芝生の上に生えるシバフタケでしょうか?採ってみると茎がとても固く、傘の部分と柄の色が同じと言う特徴にはあっていますが確信は持てませんね。

このキノコは芝生のある所では比較的見ることができるキノコのようで、あいかわ公園のふれあい広場でもところどころ見かけます。
f:id:aikawa_park:20200704095725j:plain
老菌(ろうきん)のキノコも見つかりました。

出たての若い時を幼菌、傘が開いた成菌、崩れ始めの老菌とキノコは短期間で姿を大きく変えます。

同じキノコでも姿が変わるためこれまたキノコの難しいポイントですね。

雰囲気がベニタケの仲間に似ており、シロハツかと思ったのですが、これにもモドキと付く毒キノコがあるのですね。さっぱり分かりません! 

そしてよく見てみるとふれあい広場の芝の中が剣山のようになっているではありませんか!
f:id:aikawa_park:20200704165015j:plain
一度見てみたいと思っていたシロソウメンタケとようやく出会えたようです。

こんな身近に生えるキノコだとは知りませんでした。

地面からニョキニョキと生えており、それが辺り一面を覆いつくしているとなるとなかなかに面白い光景です。

恐らく雨の日にしか見られないかと思いますがこれはとてもおススメですね。
f:id:aikawa_park:20200704165219j:plain
暑い夏の日にめんつゆをつけてすすりたくは...なりませんね(笑)どちらかというと冷や麦なきがします。

少し場所は変わりますがパークセンター前では可愛いキノコが生えていましたよ。
f:id:aikawa_park:20200704100748j:plain
真っ黄色な線状のはソウメンタケの仲間に似ていますが、1本づつ生えているためナギナタタケでしょうか?。

仲間としてはシロソウメンタケと同じですが色が鮮やかになると途端にメルヘンチックで可愛いキノコです。

大きくなると3~4cm位になりますが、これをアップ写真でとると気分は絵本の世界の中ですよ。

これからキノコがたくさん見られる時期です。種類が分からなくとも見た目の違いで十分楽しめるので皆様も探してみてはいかがでしょうか?

秋に赤いシロソウメンタケの仲間を発見しました。
aikawa-park.hatenablog.com

大きな目はまるでサングラス!? クワカミキリ

雨の中何かいないかなと虫を探していると怪しい落ち枝を発見しました。
f:id:aikawa_park:20200704084807j:plain
綺麗な葉が付いた枝を発見した際にはそれを確認してみると何かくっついていることがあります。例えばイモムシ、例えば...
f:id:aikawa_park:20200704084921j:plain
カミキリムシのような甲虫がくっついていることもあるかもしれません。

今年初めての大型カミキリを発見しました。

こちらは最初ミヤマカミキリかと思ったのですが、どうやらクワカミキリのようです。

園内には彼らの好むクワの木があまりないので、どこからか迷い込んだのでしょう。

いずれにせよ大型のカミキリにはものすごい迫力があります!じっくり見てみましょう。カミキリムシの最大の特徴はその大きなにあります。
f:id:aikawa_park:20200704085228j:plain
この鋭いはさみのような顎こそ大型カミキリの持つ魅力と言えますね。

大型のカミキリに触れたことのない方はこの恐ろしさが分からないかもしれませんが、うっかり噛まれてしまえば容易にが出ます。ですので触れる際には十分注意してあげる必要があります。

クワカミキリはこの大あごを利用して樹皮をかじり、ご飯として食べます。

それだけでなく木をかじりそこに卵を産み付けます。クワの木は色々なカミキリに利用されてぼこぼこになっているものが多いんですよ。
f:id:aikawa_park:20200704085450j:plain
また、カミキリムシと言えば大きなも特徴的ですね。

この複眼という目は、小さな目がたくさん集まった目になっており、正面しかとらえられない人の目とは異なり非常に広い範囲を見渡しています。

ハエなどの目で有名ですよね。カミキリムシの複眼は特に大きく、クワカミキリはサングラスのようにも見えてしまいます。

巨大で怖いもののどこかカッコよさを感じさせるクワカミキリ。遭遇するには運が必要ですが、見つけた時にはじっくり見る価値がある虫と言えるでしょう!

日本最大クラスのカミキリたちがこちらです。園内で見つかることがありますよ。
aikawa-park.hatenablog.com
aikawa-park.hatenablog.com