あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

花には見えない変わった植物 カラスビシャク

冒険広場の上をの道路沿いを植物を探しながら歩いていると春から探していたとある植物を発見しました。不思議な植物で全く花のように見えないおかしな植物なのですが、恐らく知らない方が見たらほとんどの人が草だと思うのではないでしょうか。
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こちらがその変わった花を持つ植物そのなもカラスビシャクです!なんとも語感のいい植物ですね。写真の箇所が花なのですがまったく鮮やかさもなければ虫にアピールするような模様もありません。この形自体は実は春に登場しています。長くこのブログを見て下さっている方には心当たりがあるかもしれませんね。
aikawa-park.hatenablog.com
それがミミガタテンナンショウという植物でした。スーパーにも並ぶサトイモの仲間で、サトイモ科と言うグループです。この仲間の特徴はまるでレインコートのようにしっかりと包み込んだ不思議な形の仏炎苞(ぶつえんほう)と言う大きな葉が変化した器官でしたね。カラスビシャクも同じように最初の写真の緑色の部分が仏炎苞なのです。つまり本当の花はこの筒形の中にあります。
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その前にもう一つサトイモ科の特徴的な付属体(ふぞくたい)を見ていきましょう。付属体は本当の花にくっついている道しるべのようなものです。この仲間は特有の臭い香りでハエの仲間をおびき寄せるのですが、その虫が上がったり下がったりするための登り棒のようなものです。この部分に結構違いが現れるのでサトイモ科の仲間は面白いですよ。例えば春のウラシマソウは見事な付属体を持ちましたね。
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これが長い付属体を浦島太郎の釣り竿に見立てたウラシマソウです。あいかわ公園の春によく見られます。においはなかなか臭いです。
話がサトイモの仲間全般にそれてしまいましたがこの仲間は花を守るためにしっかりとしたフードをかぶっています。姿をちゃんと見てみるとなかなかにかわいいですよ。
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後から見てみました。バッチリ仏炎苞の筒の入り口部分を上から隠していますね。表側から見るのと裏側から見るのでここまで印象が変わる植物も少ないのではないでしょうか?
カラスビシャクは春に咲く植物なのですがまさか今の時期にひょっこり咲いているとは思いませんでした。皆様も自然散策をされる際には普段見ている場所でもじっくり目を凝らしてみると思わぬ発見をすることができると思いますよ。


aikawa-park-sanyasou.hatenablog.jp

あいかわ公園植物図鑑にヒヨドリジョウゴ、ヤマクルマバナ、オトコエシ、カワミドリ、ウリクサ、イヌタデ、メドハギ、ママコノシリヌグイ、を追加しました。秋の花たちを更新中です!春も夏もあわせてご利用ください。