葉が落ちて探しやすくなる植物
葉が落ちてしまうと自然の中も茶色一色で寂しいものです。
しかし見やすくなった林内を今のうちに注意しながら見ておくと面白い植物を見つけることができます。
開けた南向きの斜面などによく生えるタラノキが今の季節は見つけやすくなります。
タラノメで有名な山菜ですが意外と身近な植物であり、少し日差しの差し込むような林であれば大抵みることができます。
狩り払われた環境などにもよく現れるため、ススキが侵入したばかりで下草が少ない場所は彼らがよく見られるゴールデンスポットですね。
針まみれのタラノキと山菜のタラノメ
タラノキと言えばやはりこのトゲです。
すらっとした姿にイガイガが付いていれば当たりでしょう。
このトゲはかなり固いので、背の低いタラノキなどを見逃すとズボンを貫通して痛い経験をすることになるでしょう。
タラノメは山菜としてあまりにも有名です。
栽培されたものがスーパーなどに並ぶことも珍しくありません。ではどんな風に芽が出るか見たことがありますか?
昨年園内で見つけたタラノメです。芽生えてすぐにニョキニョキと伸びてしまうため、いいタイミングに出会うには自身の足で訪れるしかありません。
慣れると感覚でタラがある!と分かるようになりますね。
タラノキのお友達ハリギリ!
日当たりのよい所に生えるのがタラノキなのですが、日の当たらないところでも同じようなトゲ植物を探すことができます。
それがハリギリですね。
タラの倍以上の鋭く硬いトゲを持ち、足元でケガをする可能性の高い植物です。
見た目は釘バットのように強烈です。
生えている場所は林の中が多いですが、開けた環境にタラが生えて隣接した薄暗い林にハリギリがあるということは多々あります。
雰囲気さえわかってしまえばタラノキよりも見つけやすい植物だと思います。
せっかくなので新芽を見てみましょう。
綺麗にそろって出てくるフワフワの新芽はこれだけで芸術点が高いですね。
台座に飾られたトロフィーのような綺麗な姿をしていますが、春先に芽生えの時期をつかむのがなかなか難しく、その辺の駆け引きも面白い植物です。
ちなみに味はハリギリの味としか言えません。
天ぷらにするのがメジャーなのですが、ハリギリの持つ強い灰汁が緩和されてほろ苦さに変わり、新芽特有のアスパラのようなしゃくしゃく感と生クリームのような後を引くコクがあります。
この ほろ苦さとコクの組み合わせが素晴らしく、トロにワサビのような抜群の相性を出しています。
ちなみに天ぷら以外では灰汁が強すぎて食べられたものじゃないです。
野草の採取は園内では禁止されていますが、興味のある方はタラやその仲間のコシアブラが春になるとスーパーに出回るのでそちらで味わってみることをお勧めします。
山菜に興味の湧いた方はこちら
aikawa-park.hatenablog.com
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