あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

寄生植物ネナシカズラの不思議 川や畑でラーメンをこぼしたような黄色い糸を見かけたら要注意

一見すると麺類と間違える...かもしれない不気味な見た目の植物

秋初めの季節にはつる植物がたくさん見られます。

色々なつる植物を見がてら石小屋ダムの方面を歩いていると少しおかしな光景を発見しました。

辺り一面をラーメンの麺のような植物が覆っているのです。

これは面白い光景を見つけてしまった と思わず夢中になって写真を撮ってしまいました。
f:id:aikawa_park:20200921165234j:plain
まだまだ彼らの本気には遠いもののこの一面を覆う光景は初めて見た人はびっくりするでしょう。

これこそタイトルのネナシカズラと言う植物の仕業です!

この植物はユニークな性質を持った大変面白い植物なのです。

実はこの植物には葉っぱがありません。(細かく言うと小さいものがある)この時点で大変奇妙な感じがありますが、ではこの植物はいったいどのようにして生きるために必要な養分を得るのでしょうか?それこそ彼らの戦略です。少し考えてみてください。




答えはずばり、他の植物の養分を横取りする です。
f:id:aikawa_park:20200921165600j:plain
ネナシカズラが他の植物に絡みついている様子です。写真真ん中で絡みつかれている緑色の植物と、ネナシカズラの黄色とも明るい緑とも、紫色ともとらえられる怪しい色合いが目立ちますね。

多くのつる植物も同様に他の植物に絡みついて上を目指しますが、この植物は養分を奪うことが目的なので上を目指しません。一枚目のように辺り一帯を覆いつくして他の植物からとにかく栄養を奪うのです。

しかし、どのように栄養を奪うのかが不思議ですよね?
植物がセミのようにストローを指して汁を吸うでしょうか?その不思議を解く答えは彼らの絡みついた後にあります。
f:id:aikawa_park:20200921170027j:plain
少し絡みついている所をはがしてみました。とてつもない吸着力で張り付いています!人間でも少し力を入れないと離れませんから相当な力でくっついていますね。この痛々しい写真の通り彼らは絡みついた部分から寄生根と言うものを出し、対象の植物の茎を溶かして根を差し込み、養分を横取りします。やけどのように溶けている様子を見ると動けない植物たちにとってはかなりの脅威となることが分かりますね。
f:id:aikawa_park:20200921170905j:plain
絡みつかれた側の植物の方も見てみましょう。ネナシカズラの根が入り込み、べったりと溶けた飴のようになってしまっていますね。

巻き付かれた場所ごとにこのような溶かされる状態が起こされるため、絡みつかれた側のダメージは相当なものです。自分で栄養を作らず、他の植物が一生懸命作ったものを横取りするとは大した戦略です。これが寄生植物です。恐ろしいですね。 このようにして他の植物から栄養を奪うので根がないカズラ(つる植物の事)=ネナシカズラと名づけられています。

このネナシカズラは河川沿いや山側などで見られますが外来種のアメリカネナシカズラと在来種のネナシカズラがあります。見分け方はなかなかに分かりやすく茎、花を見ればわかります。

f:id:aikawa_park:20200921171417j:plain
まず花ですが、写真のように棒状に伸びた花が付いているものがあればネナシカズラです。

アメリカネナシカズラは団子のようにまとまって花をつけるため明らかに花の付き方が違います。
f:id:aikawa_park:20200921171630j:plain
さらに詳しくみてみましょう。つるからニュッと花をつける茎がのびてそこから咲いていますね。アメリカネナシカズラは見つかっていないので写真がありませんがこの形を覚えておけば大丈夫です。そしてつるにも違いがあります。特に黄色のツル部分に紫色の鮮やかな点が入ることが違いです。
f:id:aikawa_park:20200921171907j:plain
先ほどと同じ写真ですが植物の傷口ではなく、ネナシカズラのツルに注目してみましょう。

お菓子のプリッツのような点がたくさん入っているのが分かると思います。このように似た植物であってもしっかりとポイントを押さえておくことで種類を特定することができます。
寄生植物ネナシカズラは意外と見つからない植物なので興味のある方は見に来てみてはいかがでしょうか?

ちなみに場所は公園外なので全然違いますが、アメリカネナシカズラも載せておきます。つるの部分が真っ黄色で、よりラーメンに近いですね!
f:id:aikawa_park:20200921172157j:plain

寄生植物に興味の湧いた方は姿の違う寄生植物 ヤセウツボの記事も楽しめるかもしれません
aikawa-park.hatenablog.com

あいかわ公園の自然に興味の湧いた方は、下のカテゴリーや月別の記事からたくさんの記事を読むことができるのでぜひ御覧ください。
黒い三角形を押すと色々なジャンル別に読めます。植物に興味の湧いた方は植物の黒三角をクリックすると園内の花や実の記事が読めますよ。
また、リンクからはツツジの図鑑や園内で見ることのできる花をまとめた大ボリュームの図鑑も見ることができます。

9月頃に聞こえる昆虫の鳴き声の正体は きっとアオマツムシ!

いい声で鳴くあの虫の声の正体は誰?

秋と言えば夜鳴く虫の声に耳を傾け、音楽の代わりに癒されるのが楽しみですよね。

今の季節は特に心地いい声が鳴り響いています。

皆様のお住いのエリアでもきっと夜には大きな声で良く響くりーっりーっと言う声が聞こえていることでしょう。

しかし、意外とその声の主を見たことがないという方も多いのではないでしょうか。

今日はバッタの中で一番かわいいと思うアオマツムシと言う昆虫に注目してみます。
f:id:aikawa_park:20200920141043j:plain
この姿を見たら分かった方も多いかもしれませんね。

名前は知らずともマンションの壁公園のライトコンビニのガラスなどなど今の季節に夜明かりがついている場所であればシーズン中に1度くらいは見かけるはずです。

アオマツムシのこの葉にそっくりな姿には感心しますし、何よりこの無駄のないシャープな形がとても好きです。

それに結構模様が細かくてカーテンのように綺麗ですし触れてみればバッタなのにふんわりと柔らかいのです。

このシャープな印象の秘密は足にあります。
f:id:aikawa_park:20200920141356j:plain
以前紹介してきたバッタたちと言うのは足を立てて待機するため、大きな足が非常に目立つのですが、このアオマツムシは葉そっくりに隠れているためその足を出しません。

変形合体するマシーンのように見事に足元に収納されているのです。なので上から見た時に足が4本に見え、シャープに見えるのですね。

そして横から見てみると羽の端っこに入る線が本物の葉っぱ感を引き上げていますね。

お寿司を購入したときに入っているバランにも同じように線が入っているものがありますが、やはりより葉っぱに見えるようにする戦略なのでしょうかね。

アオマツムシは壁などに貼り付けるのですがその秘密が足にあります。
f:id:aikawa_park:20200920141730j:plain
拡大してみるとはっきりわかりますが、以前のカミキリムシなどとは異なりこのアオマツムシにははっきりと吸盤が付いています。

この足でしっかりと張り付くため、ガラスにも平気で登ることができます。レモン味のグミのような見た目をしていますね。

触覚は短いです。触覚の長いバッタは肉食性のものが多く短いものは草食性の物が多いんでしたね。アオマツムシは草食の強い雑食です。
f:id:aikawa_park:20200920142216j:plain
草食性が強いバッタなのである程度安全に手にのせることができます。

彼らはよく飛ぶので壁から木のような人間の方に飛んでくることもあります。そんな時にパニックを起こさないようにしましょう(笑)この子もこの状態から私の方へ飛んできて肩から髪の毛までクライミングを楽しんでいました。

視界から消えるとうっかりつぶしてしまうのが怖いんですよね。しかしこれくらいは好きな虫なのでウェルカムです。

アオマツムシはまだしばらく見られると思うので皆様もこんなに可愛い虫と触れ合ってみてはいかがでしょうか。飼育もナスなどの野菜やサクラなどの葉、あとは動物質が入ったもの(魚のえさなど)を上げればできるようですよ。

この時期旬のバッタたちはこちら↓
aikawa-park.hatenablog.com
バッタの食べるものについてはこちら↓
aikawa-park.hatenablog.com


自然について興味のある方は↓の検索ボックスを利用すると便利です。

地上に生えるサンゴ!? ベニセンコウタケ

緑の芝生から赤い物体現れる!

開けた芝生に目をやると、いかにも危険そうな線上の物体を発見しました。昨今世間を騒がせる猛毒キノコ、カエンタケ!?  と思いきや実は無毒なベニセンコウタケというかっこいい名前のキノコです。



緑あふれる中でひときわ存在感を放つのがベニセンコウタケです。出会うには秋口に芝生がある環境で雨の直後を意識してみると良さそうですよ。

最初に触れましたが、近年ナラ枯れの影響を受けて多数発生しているカエンタケ(猛毒キノコ)と誤判断しているケースがあります。

枯れた木の付近で芝生があるとややこしい可能性があるので、確実な判断ができない場合には触れないほうが無難でしょう。

ユニークな種類が多いシロソウメンタケ科


ベニセンコウタケはシロソウメンタケ科のキノコで、名の通りおいしそうなそうめんのようにニョキニョキと地上から生えているキノコです。上の写真がシロソウメンタケで、あいかわ公園においても夏~秋の雨上がり後に見かけることがあります。

面白い点は黄色や紫など様々な種類のソウメンもあるという点でしょうかね。

近くでお互い生えていたらとても綺麗でしょうが、うまいことすみ分けているのか一緒に見たことはありません。


しかし仲間なだけあってか発生時期は近いようです。



キノコの仲間の面白いところとして、生え方が挙げられます。菌糸をもとに増殖するので特定の感覚でキノコが出たり、種によっては株本からまとまって生えたり、かと思えばぽつぽつと点在していたり。



拡大してみると装飾品のようです。
この姿のまま海の中にあればサンゴとして扱えてしまえそうな雰囲気ですね。 とてもおしゃれなキノコだと思います。

キノコの仲間は基本的に湿り気の多いところに生えています。
あいかわ公園で探す場合にはヤマビルに要注意ですよ!

ベニセンコウタケに興味の湧いた方は、パンのような姿のヒメカタショウロも楽しめるかもしれません。
aikawa-park.hatenablog.com


あいかわ公園の自然に興味の湧いた方は↓のカテゴリーから虫や植物など多数の記事を読むことができます。

飛ぶバッタと言えばこの子 トノサマバッタとクルマバッタ

秋の虫取りと言えばバッタ採りですよね。大きさも形も様々なことに加えて今の時期であれば非常に多くの種類が捕まえられるのでとても楽しい虫取りとなっています。そんなバッタたちの中でも特に人気なのは恐らくこの子でしょう。
f:id:aikawa_park:20200912101533j:plain
このフォルム、かっこいい羽、堂々と構えた姿は仮面ライダーでおなじみのトノサマバッタの仲間ですね。そしてこの仲間たちと言うのは姿かたちがどれも似ています。有名な3種ではトノサマバッタ、クルマバッタ、クルマバッタモドキが有名でしょうか。初めて名前を聞いた方も多いかもしれませんね。
この3種は似ているのですが飛ばした時の羽の模様や頭の形を見ることで絞り込むことができます。
特に分かりやすいのはクルマバッタですね。頭部の少し後ろ、人間でいう所の首のあたりを見てみましょう。
f:id:aikawa_park:20200912102009j:plain
ここの頭部の上側のライン。ちょうど私の指が掛かって少し隠れている場所です。目の後ろ側と考えると分かりやすいかもしれません。ここが重要で、クルマバッタの場合には山のように盛り上がります。この子は平なのでトノサマバッタかクルマバッタモドキかと思われます。羽の模様が重要なのですが捕まえたのは少し前の出来事のため、どんな感じだったかを忘れてしまいました。大きさ的にはトノサマバッタっぽいですかね。

f:id:aikawa_park:20200912102914j:plain
トノサマの仲間は数十mは飛んでしまうほどの健脚の持ち主なのですが、それはやはりこの足にあります。ショウリョウバッタと比べると筋肉の量が全く違います。具体的にはこの足で蹴られると人間の手であっても痛いと思ってしまうほどの蹴る力を持っているのです。足の付け根の腿の部分と関節の部分の太さを見てみてくださいね。まるで鍛え上げたボディビルダーのように締まった足をしています。人間の力に換算するとどれくらいの脚力を持っているのか気になりますね。よくよく考えてみると2~3cm程の高さしか持たない彼らがジャンプをするときには数10cmも飛ぶわけで、例えば2cmの高さでジャンプしたときに30cm飛ぶと仮定した場合彼らの体の大きさから考えてみると背丈の15倍ほどの高さを飛んでいるわけです。人間で考えてみると170cm程の人間が20m程飛ぶくらいのジャンプ力なわけです。すごい話ですね!

f:id:aikawa_park:20200912103759j:plain
そんな彼らは草地でお米の仲間の植物をおいしそうに食べています。口もショウリョウバッタと同じような雰囲気で鋭くないですね。間違えて触ってもケガをしたりすることがないので虫取りを始めたばかりの方にはこういった芝生で草食のバッタを探してみることをお勧めします。たくさん飛び出てくるのでついつい夢中になってしまうと思いますよ。

f:id:aikawa_park:20200912104012j:plain
一方で写真のツユムシの仲間のように触角が長いバッタは雑食性で噛むものが多いのでむやみやたらに触らないようにしておきましょうね。

きゅうり、すいか、野生のウリ? 緑と赤のカラスウリ

夏から秋にかけて食卓にも並ぶことの多い食材がウリの仲間です。例えば味噌と合わせたキュウリ、ゴーヤチャンプルーでおなじみのゴーヤもウリ、冷やして食べると最高のスイカもウリの仲間です。秋にかけてはカボチャがウリの仲間ですよね。そんな馴染みの食材たちの仲間も自然の中では見られます。
今の季節にたくさん他の植物やフェンスに絡みついていますよ。
f:id:aikawa_park:20200916131719j:plain
これがそのカラスウリと呼ばれる身近な植物です。スイカやキュウリを育てたことがある方はきっと葉の雰囲気が似ているなと思ったのではないかと思います。写真の右下にはカラスウリのウリができていますね。このカラスウリは葉が非常に大きくふさふさしているのでその点を覚えておくといいかもしれません。
そしてウリの仲間らしくつる性の植物です。ぐるぐると他の物に巻き付いていきます。それらの様子を見てみましょう。
f:id:aikawa_park:20200916132009j:plain
正直な所大きさに関してはピンキリなので一概には言えないのですが、大きい葉であれば大人の手よりも大きいものも見られます。しかし、身近な公園などであれば手のひらよりも小さいくらいの大きさの葉もたくさんあるのでそこは見て慣れるしかないポイントです。縦に10cmちょいくらいでしょうか。
画面にも映っていますが見事なつるを持ちます。
f:id:aikawa_park:20200916132255j:plain
キュウリ、ゴーヤなどはぐるぐる巻いたつるをたくさんつけますよね。カラスウリも負けていません。高い上を目指すときにはこのように伸びたカップヌードルの麺のような縮れ方をしています。
伸びながらこのように空中を巻いているとは思えないのですがいったいどのようにしてこの形になるのでしょうか?非常に気になりますね。
そして緩い巻き方もあれば激しい巻き方もあります。
f:id:aikawa_park:20200916132549j:plain
同じつるでも姿かたちが全然違いますね。こちらは黒電話のぐるぐるの部分のようにかなりの密度でぐるぐると巻かれています。次に巻き付く対象が近くにあったのかそれとももともと絡みついていた何か小さいものが滑りぬけたのでしょうかね。とこのようにつる一つとっても飽きが来ないのが彼らの魅力だと思います。そしてウリ科なのでもちろんおいしそうな実もできます。
f:id:aikawa_park:20200916132854j:plain
見た目は縦長のスイカのようですが味は鳥も食べないくらいの美味しくなさらしいので私は未実食です。評判の悪いものをわざわざ食べたりはしません。
秋が本格的になると実も真っ赤になるので、その姿を見たことがある方はピンときたかもしれませんね!そんな実は食べないものの葉を食べる虫がいます。ウリ科全般に付くあの虫です。
f:id:aikawa_park:20200916133222j:plain
ウリハムシの仲間のクロウリハムシは園芸をやっている方は確実に見たことがあり、そして嫌っているかと思います。見ての通り葉が端からではなく途中から食べられます。なので見た目的にもボロボロにされてしまう園芸好きの敵ですね。

今回は紹介していませんが非常に綺麗な花も咲かせます。ただし夜にしか咲かせないレース状の花なので、見ようと思った場合には少し大変ですね。逆に言えば今の時期の夜にレース状の大きめの花を見つけられればそれはカラスウリの可能性が高いので簡単に見つけられるとも言えます。
虫の鳴き声に耳を傾けながら美しい花も探してみてはいかがでしょうか? くれぐれも安全には気を付けてくださいね!

aikawa-park-sanyasou.hatenablog.jp
山野草図鑑にカテゴリー 秋の花を追加しました。これからどんどん更新していきます。秋からは写真をより多く取り入れ、その植物のことを掘り下げて紹介しています。また、特徴となる部分は葉や種なども含めて写真にのせて紹介しています。秋のすごしやすい気候の中、デジタルの図鑑を片手にあいかわ公園を散歩してみてはいかがでしょうか?

壁や明かりにやってくるのはイモリ?ヤモリ? 爬虫類の眼に注目してみよう

パークセンターの壁にはライトがあるという話を以前からしていますが、夜間にその光に虫がやってきているようです。そしてその虫たちを食べるハンターたちもまたやってきているようです。このライトの付近を歩いた時、とある生き物がロケットのように隙間から飛び出してきたのです(笑)びっくりしました!
f:id:aikawa_park:20200916124000j:plain
それがこちらのヤモリです。ヤモリの中でも小さいサイズのヤモリです。ひとさし指の第2関節位までの長さで非常に可愛いです。そしてこの写真はなんとなくお気に入りの写真です。ヤモリは虫を食べるためこういったライトの有る場所が好きなのですが、それっぽい雰囲気の写真が撮れましたね。
この色合いの通りコンクリートの壁面、地面にいると全く分かりません。ヤモリの姿を見て皆様はどの辺りに目が向きますか?色、尻尾、手、眼などヤモリには特徴的な部分がたくさんあります。
f:id:aikawa_park:20200916124533j:plain
私の場合はヤモリのこの目が好きですね。カナヘビなどとはかなり違うタイプの目で、ヘビでいうとマムシのようにひし形のような形をした黒目のような部分を持ちます。同じトカゲのような姿でありながら異なる目を持っていますが、これはヤモリが夜行性であることとの結びつきが強いです。この目の雰囲気こそ爬虫類!という感じがして好きですね。自然界ではあまり見ることができないですし特別感があります。
カナヘビたちは暖かい所で目を閉じて眠ったりするのですがヤモリはそういったことはしません。
f:id:aikawa_park:20200916125158j:plain
写真を見ての通り目が大きく、まぶたがほとんどないのです。視界は非常に広そうですが、眼の乾燥などにはどのように対処しているのでしょうかね。非常に気になるところではあります。彼らの手にも注目してみましょう。写真にはまるでカエルのような面積の広い手が映っています。これは先端が爪のようになっているトカゲの仲間たちとは異なるポイントです。と言うのも見たことがある方も多いとは思うのですが、このヤモリは壁に貼り付けます。
f:id:aikawa_park:20200916125921j:plain
ヤモリの足には分かりやすい吸盤のようなものは無く、ペラペラの不思議な形をしています。関係があるかは分かりませんがカミキリムシの足に非常に似た雰囲気を持っているの感じました。カミキリムシもガラス面などに貼り付ける足を持つのですが、その足には微細な毛がたくさん生えており、足に接地面と平らに触れる毛があるのでそこで接地面を確保し、滑らないようにしていました。恐らくヤモリの足にも細かな毛が生えているのではないかと触ってみて思いました。足にカミキリムシのぺたぺた感を感じるんですよね(笑)
f:id:aikawa_park:20200916130657j:plain
都会でもマンションアパートの壁などで見つけることができるヤモリは好き嫌いがはっきり分かれる生き物かと思います。実際に触れてみると大福のようなぷにっとした質感とペタッと薄い体、指に張り付く不思議な足など触らないと分からいような体験をすることができます。見つけたら噛まれないようにかつスピーディに捕まえて、ヤモリとの出会いを楽しんでみてくださいね。


aikawa-park-sanyasou.hatenablog.jp
山野草図鑑にカテゴリー 秋の花を追加しました。これからどんどん更新していきます。秋からは写真をより多く取り入れ、その植物のことを掘り下げて紹介しています。また、特徴となる部分は葉や種なども含めて写真にのせて紹介しています。秋のすごしやすい気候の中、デジタルの図鑑を片手にあいかわ公園を散歩してみてはいかがでしょうか?

小さなキウイ、サルナシの実が見つかりました

キウイの原種サルナシを発見!

秋になり事前に当たりをつけていた場所でサルナシと言うフルーツがなりました。
aikawa-park.hatenablog.com
とてもかわいい花で、多数の花をつけると言う話をしましたね。

この植物は記事の通り♂♀が別の植物で、写真の場所では♂の花しかありませんでした。

しかし今回は運よく♀の株も見つけることができたのです!

まずはサルナシの雰囲気を確認しておきましょう。
f:id:aikawa_park:20200916103855j:plain
写真はボケボケですが、見て欲しいのは葉の方なので問題ありません。

見ての通り他の植物に絡まっていく植物なので、場所によっては指をくわえて実を眺めているだけと言う展開になることも珍しくありません。

葉はかなりしっかりしており、端にギザギザがたくさんついているのが分かりますね。そして果実を見てみましょう。

いかのも美味しそうなサルナシの実

f:id:aikawa_park:20200916104112j:plain
こちらがサルナシの実です。

熟すのはまだ先なのですが、キウイフルーツの仲間だけあって実際に割ってみると小さなキウイの姿をしています。

自然の中では甘酸っぱくおいしい実とされており、人間以外にも様々な野生動物が好んで食べる実なのです。

熟しているかが分かりにくいため、私が見つけたこのエリアももしかするとサルなどの他の動物に食べられてしまうかもしれませんが、様子を見つつチャンスがあれば食べてみたいですね。

ということで...
このままサルに食べられてしまうのもなんだかもったいないので味見がてらいくつか採ってみました。

初採取なので勝手はあまり分からないのですが、取ったもののうち柔らかいものを剥いてみることにします。まずくてもおいしくても結果良しです。
f:id:aikawa_park:20200916155005j:plain話によれば皮にしわが入る位まで熟させた方がいいらしいです。

置いとくだけでも熟すようですね。なので今回のケースは早すぎるくらいですがあまりにも味が気になるので試してしまいます。

片面がジュクジュクなくらい熟していました。

ほっておくと腐る予感がするくらいのジュクジュク具合で、バナナの熟れすぎた奴の質感が近かったです。見ての通りぐしゃぐしゃなのですがここから漂う芳香はいったい何でしょうか!?甘い香りがします!

まずかったらどうしようと思いつつかじってみました。
f:id:aikawa_park:20200916155536j:plain
かじった後で申し訳ないのですが、見ての通り中身はキウイフルーツそっくりですね。

そして肝心の味に関しては ジュクジュクの所がめちゃくちゃ甘いです!周りはグリーンキウイの香りをさらに強くしたような味がします。

熟したところの甘みとまだ熟す途中の部分の酸味が混ざり合い、スイカに塩をかけたような現象が果実の中で起こっています。酸っぱくて不味いようなことが起こりそうだったので気合を入れていたのですがこれはおいしいですね~!

山の中で熟したサルナシを見かけることがあればつまみたくなる美味しさです。この味を知ってしまったら野生動物にはもうあげたくないですね!


つる植物なだけあってなかなか手の届かない高い所に実をつけるので、採取するのは大変な部類です。

なので自然下で会う場合には脚立や枝切りばさみなどのアイテムがないとなかなか難しそうです。ですがその苦労に見合うだけの味はしていると思いますよ。自然の中で食べられるものとしては確かにサルナシはご馳走でした!とてもいい経験をさせてもらいました。