あいかわ公園自然観察ガイド

嫌われがちな毛虫から大人気のクワガタたち、更には季節の植物まで。たくさんのあいかわ公園の自然を紹介していきます。ネタを見つけたら更新中。画像の無断転載は禁止です。

水玉模様の茶色いカミキリ シラホシカミキリ

小型のカミキリムシは狙って遭遇することがなかなかに難しく、いかに自然の中を歩いて遭遇する確率をあげられるかという勝負になりがちです。

その分まだ実物を見たことがないような種類に出会えると、お宝を見つけてしまったかのような嬉しさがあります。

今回は目の前に止まってくれたシラホシカミキリを見ていきましょう。
f:id:aikawa_park:20210627112412j:plain
シラホシカミキリはこの虫が持つ特徴をしっかりと名前に現したカミキリムシです。

背中に白い模様が点々としており、これが空に浮かぶのように見えます。

小型のカミキリですが、かなり独特な色合いをしているんですよ。
f:id:aikawa_park:20210627112540j:plain
背中の模様を見てみます。白い模様が頭の方から2個ずつ内と外という順で配置されています。

これがシラホシカミキリの模様の特徴です。

模様の違うニセシラホシカミキリもいるので、この配置は重要ですよ。
くすんだ茶色のような色合いが白色とマッチしていますね。

別の場所も見てみましょう。小型カミキリのはどうなっているのでしょうか?
f:id:aikawa_park:20210627112735j:plain
中型や大型のカミキリと比べると鋭い顎が目立ちません。とはいえ木をかじるカミキリの仲間ですから、傷つけるだけの顎を持ちます。

少し眺めていると、顎の掃除を始めました。
f:id:aikawa_park:20210627112855j:plain
すると顎の形がずれてはっきりと分かりますね。 とはいえ押さえつけたりしなければ噛んだりしません。

性格的には臆病なようで、直ぐに落っこちて逃げようとします。


シラホシカミキリは幅広いを食べるとされており、このような種は意外と見つけにくかったりします。

園内ではいったい何を食べているのか見当がつかないからですね。
遭遇するのはです。

では最後におなじみのシーンの撮影です。
f:id:aikawa_park:20210627113404j:plain
飛ぶ瞬間を撮影しました。

翅の模様が水玉のようで目立ちますね。やはり指の先端などの高い所から飛びます。

よく見ると固い翅の先端がとがっていますね。 

カミキリの中には見分ける際にこの先端がとがるかが重要なものもいます。

細かい所ですが、シラホシカミキリの翅は分かりやすいですね。

皆様も運よく遭遇することがあれば、美しい模様と色をじっくりと観察してみてください。


小型カミキリの中でも珍しい青色のカミキリ、フタコブルリハナカミキリはこちら↓
aikawa-park.hatenablog.com
赤色のカミキリも見られることがあるようですよ↓
aikawa-park.hatenablog.com



園内の虫に興味の湧いた方は↓のカテゴリーから虫をクリックすることでたくさんの虫の記事を読むことができます。
f:id:aikawa_park:20210627115206p:plain
虫取りお役立ち情報では樹液の探し方やヤマビルなどの危険な生物への対処法が学べます。

間違いなく知らない人とは差が付くコンテンツなので、読んでみてくださいね。

トカゲやカナヘビを探すなら どんな場所を探せばいい?

探してみると見つからないトカゲたち

大人気のすばしっこい生き物、トカゲたち。いざ意気込んで探してみるとどこにいるやら分からない。というのは誰もが経験することだと思います。


今日はお役立ち情報としてトカゲが見つかりやすいポイントや探し方などを紹介していきます。

参考にしてトカゲ探しを楽しんでみてくださいね。


まず条件があります。それは晴れた日であるということですね。

彼らが見つかるときは大抵日向ぼっこをしている時なのです。


トカゲ探しには天気が重要!

曇りやの場合まず見つかりません。

晴の日にはコンクリートの上が熱くなりますよね? 

そうしたコンクリートと土の境目の所が狙いどころです! 下も暖かく上からは太陽光で暖かいというホットサンドのような環境が大好きなんです。

加えて近くに隠れる場所があればさらにいい場所と言えますね。岩の隙間や茂みがそれにあたります。 場所としてはこんな感じの所です。

日差しが差しこんでおり、人工物があります。さらに大きめの植物があり、すぐに逃げられる場所として最適ですね。


パークセンター前の花壇で見かけることさえある位には身近にいるんです。

他にはこんな場所もいいです。

冒険の森横の日差しが差し込む林道横ですね。やはり上下暖かく、餌に困らず、敵から身を隠すことができる茂みがあります。 


日差しが差し込む午前中であれば高確率で出会えている場所なのでおすすめです。

五感を利用して探そう

見つける確率を上げるのであれば眼ではなくに頼りましょう。

良い条件のエリアに来たら忍び足をして地面から生まれる音に意識を向けます。 

耳を澄ましているとかさかさと枯葉が擦れたり草の擦れる音が聞こえてきます。

その音を探してあげるのが最も効率よく探せます。

園内おすすめポイントのまとめ

おさらいしておきましょう。
1,晴の日である

2,人工物と土の境目を狙う

3,日差しが差し込んでいる 
これらをまとめたうえで私からのおすすめポイントを紹介しておきますね。



パークセンター前花壇



花の斜面などの岩場


花の斜面のツツジとの境目
車に注意が必要ですが、南駐車場もおススメですね。

ここらを探してみながらトカゲを探す目と知識を鍛えて行ってみてください。 

場所が分かれば後は捕まえるだけです。 コツはとにかくゆっくり近づくことですね。何度も挑戦してみてください!

トカゲとカナヘビの違いを知りたい方はこちらがおススメです↓
aikawa-park.hatenablog.com


トカゲやヘビなどの生き物がお好きな方は、↓のカテゴリーから動物や爬虫類をタッチするとヘビなどの記事が読めます。

目玉の並びが違う? 模様と白線が重要な蝶 コジャノメ

園内では色々な蝶を見ることができるのですが、蝶を見ることができるのは日当たりの良い所だけではありません。薄暗い所を好む蝶もいるのです。

そんな蝶の仲間には大きな目玉模様が付いているものがいます。
f:id:aikawa_park:20210623141111j:plain
翅の後ろ側に大きく目立つ目玉模様二つと小さな目玉模様が並ぶように付いています。翅に入る白い線に注目してみてください。
曲がっていますね。この点からコジャノメと言う蝶だと分かります。

非常に似た種類にヒメジャノメと言う種類がいるんですね。その子は白線が直線なのです。
f:id:aikawa_park:20210623141336j:plain
翅を開いてみましょう。するとまるで目玉がこちらを見ているかのような不思議な感覚がありますね。

天敵である鳥などにヘビなどに見せて襲われないようにしているのです。 

ヘビと同じく薄暗い茂りのあるような環境で見られます。

そのような場所に生える代表的な植物と言えば何でしょうか?
f:id:aikawa_park:20210623142443j:plain
ササの仲間ですね。 

ジャノメチョウの仲間の多くは薄暗い所に生えるササススキなどのイネ科類を好んで食べます。

なのでそういった環境で見やすいのです。園内では広場の端にこうした環境が多いので意外と普通に見つかりますよ。

同じ環境で何種類も違う蝶が見つかります。
f:id:aikawa_park:20210623142942j:plain
例えばこちら。先ほどと種類が違うのですが、どう違うか説明できますか? 

きっと違うことは分かるけど何が違うのかは見直さないと分からない。そんな状況になっていることでしょう。

こちらは翅の裏が波模様になっているヒメウラナミジャノメと言う蝶です。

f:id:aikawa_park:20210623141111j:plainf:id:aikawa_park:20210623143140j:plain
並べて比較してみると目玉の大きさから模様まで全然違いますよね。しかし、単体で見るとどれも同じ蝶に見えてしまうのです。

多数の目玉を持つジャノメチョウの仲間は広場などでも見つけられるので探してみてください。

園内の虫に興味の湧いた方は↓のカテゴリーから虫をポチポチして公園で捕まえてみたい虫を探してみてください。

f:id:aikawa_park:20210602090158p:plain
虫取りお役立ち情報では虫探しのコツヤマビルなどの危険な生き物への対処法など情報が盛りだくさんです。

園内の自然について聞いてみたことがある方は、緑色のゼッケンを着た自然観察ガイドにお気軽にお尋ねください。

蛾は気持ち悪い? 大きな長い足を持つ蛾 キマダラコウモリ

蛾の姿を想像してみてくださいと言われたら皆様はどのようなを想像するでしょうか?

恐らく翅を広げて張り付いている姿が目に浮かぶかと思います。 

蛾や蝶と言えばに目が行きますよね。

しかし園内の壁にやってきていたその蛾は、が目立つ蛾なのです。
f:id:aikawa_park:20210616131736j:plain
大人の親指位の大きさがあるキマダラコウモリと言うコウモリガの仲間で、なかなかマイナーな種類と言えます。

この写真では大きな蛾にしか見えませんよね。足がどう特徴的なのか分かりません。

この状態で待っていると...?
f:id:aikawa_park:20210616132039j:plain
来ました! このコウモリガの仲間は前足真ん中の足異常に長く、しかもその足を使って ものにぶら下がるという変わった蛾なのです。

まるで鉄棒で懸垂するときのような姿勢ですね。この姿がコウモリに似ているのです。

に注目してみましょう。
f:id:aikawa_park:20210616132803j:plain
普通の蛾に比べてかなり立派な足をしていることが分かります。

足の先端はかぎ状になっており、足一本だけでも体を支えられるようです。

そしてこの蛾のアンバランスさを出しているのが頭部です。
f:id:aikawa_park:20210616132520j:plain
体全体が大人の親指程度と大きいのに対して、顔は黒い複眼が2個あるだけかと思ってしまうほどの小ささです。

頭身でいえばモデル顔負けの小顔です。

顔についている触角もお飾りのように小さいですね。

キマダラコウモリは顔の部分が全体に小さい蛾なのです。

更に奇妙な面白い生態があります。手で遊んでいるとキマダラコウモリガ空を飛び、旋回し始めたのです!

これはいったい?そしてその下を見てみると...?
f:id:aikawa_park:20210616151212j:plain
が落ちていました。

この蛾は空中に飛びながら卵を産むという面白い生態があるようです。

何とも面白い蛾ですね。

変わった姿の蛾 キマダラコウモリは農業害虫としても知られる蛾です。
f:id:aikawa_park:20210616151410j:plain
しかし、その数々のユニークな性質はぜひ一度見つけて体験してみて欲しいですね。 

ぶらぶらとぶら下がるコウモリガの仲間は触れてみると面白くて可愛いですよ。

園内では色々な蛾が見られます。もうすぐ巨大なヤママユガが出始める時期です。10cmをも超える巨大な蛾はいかがですか?
aikawa-park.hatenablog.com

あいかわ公園の虫に興味の湧いた方は↓のカテゴリーの虫をポチポチしましょう。園内で探したい虫を見るのにおススメです。
f:id:aikawa_park:20210602090158p:plain
虫取りお役立ち情報では あの虫を探すコツや、ヤマビルなどの注意点などの便利情報が盛りだくさんです。

自然について聞いてみたいことがある方は緑色のゼッケンを着た自然観察ガイドまでお気軽にお尋ねください

毎月変わる虫ムシカードをGETして、あいかわ公園の昆虫を知ろう!

あいかわ公園では各月を代表する虫たちをカードにした虫ムシカードを配布しています!

ここでは表紙の虫たちの記事を読むことができます。
カードでは探すヒント虫の特徴が学べます。
*写真は全てあいかわ公園撮影のオリジナルです。

f:id:aikawa_park:20210808153926j:plain
8月 ミヤマクワガタ  
aikawa-park.hatenablog.com
aikawa-park.hatenablog.com


9月ハラビロカマキリ 配布中
aikawa-park.hatenablog.com
aikawa-park.hatenablog.com


10月ツマグロヒョウモン
aikawa-park.hatenablog.com



11月ヒメヤママユ
aikawa-park.hatenablog.com

12月ウスタビガ
aikawa-park.hatenablog.com

1月ムラサキシジミ
翅を広げるムラサキシジミ 彼らの行動の秘密とは? - あいかわ公園自然観察ガイド

2月テングチョウ
お鼻が長いテングチョウ - あいかわ公園自然観察ガイド

3月ナナホシテントウ
上を目指し、高い所から飛ぶテントウムシの不思議な習性 - あいかわ公園自然観察ガイド



8月の虫ムシカードは8月にしか入手できません。 
毎月カードを集めて12枚のコンプリートを目指しましょう!

真っ赤な色と黒い点のカミキリ ホシベニカミキリ

園内では竹が好きな赤いカミキリが見られることを以前紹介しました。
aikawa-park.hatenablog.com
見た目の派手さと取りやすさから、地味に人気があるようです。 
f:id:aikawa_park:20210609164452j:plain
今日も足元に赤いカミキリを発見しました!可愛いベニカミキリ   と...おや? なにやら違和感があります。

ベニカミキリは確かこんな姿をしていたような...?
f:id:aikawa_park:20210609171713j:plain
写真を比較しても分かりにくいかもしれませんね。一枚目の体の上をよく見てみると黒い点が散りばめられています。

f:id:aikawa_park:20210609164452j:plainf:id:aikawa_park:20210609164818j:plain
2種を並べてみました。同じ種類と言われても信じてしまいそうなくらい似ていますね。

上から見た雰囲気だけでいうと

、体に黒い点が入るかどうか

の部分が赤いかどうか

触角の付け根が赤いかどうか

と詳しくみてみると違うことが分かります。

このカミキリはベニカミキリではなく、ホシベニカミキリと言う種類です。 

食草はあまり馴染みがないと思いますが、タブノキという木です。

若い時の芽が赤いので、慣れると分かりやすいですね。実は南駐車場の端に植えてあるんです。




f:id:aikawa_park:20210609165457j:plain
ホシベニカミキリの分かりやすいポイントは最初に述べたように背中に入る黒い点です。

しかし、顔の方に注目してみても分かりやすいです。

顔が黒いベニカミキリと真っ赤なホシベニカミキリです。
f:id:aikawa_park:20210609171103j:plain
見ての通り正面から見ても真っ赤っかですね。

鋭い顎は木を傷つけて産卵したり、若枝をかじって食べたり、色々な使い方があるんです。

手にのせているだけなら噛まれた経験はないので、挑戦してみるのも面白いかもしれませんね。


園内では色々なカミキリムシの仲間が見られます。真逆の色と言える濃い青のフタコブルリハナカミキリの記事はいかがでしょうか?
aikawa-park.hatenablog.com

↓のカテゴリー 虫取りお役立ち情報では園内で虫取りをする上でのお役立ち情報が満載です。
f:id:aikawa_park:20210602090158p:plain
虫カテゴリーをポチポチして、捕まえたい虫を探してみましょう。

あいかわ公園で虫取りに挑戦してみてはいかがでしょうか。

園内の自然について聞きたいことがある方は緑色のゼッケンを着た自然観察ガイドにお気軽にお尋ねください。

黄色や黒のトラカミキリの仲間たち

つい最近まで園内ではクリの花が咲いていました。

花の密度が高い場所では度々紹介しているお花が好きなカミキリを見ることができます。

f:id:aikawa_park:20210612143401j:plain
クリの花は甲虫にも大人気なのです。

下に網を引いてポンっと叩いてあげると、虫網の中に色々な虫が入ります。

ここではトラカミキリと言う面白い模様の子達が見つかりましたよ。
f:id:aikawa_park:20210612143756j:plain
黄色の模様の動物と言えばトラです。

配色がまさに虎と同じキイロトラカミキリを発見しました。

園内でも多数みられるクヌギコナラの倒木に産卵する小型のカミキリです。

小型カミキリは見つけるのが大変なんですよね。
f:id:aikawa_park:20210612144130j:plain
彼らの習性で、直ぐ高い所に移動して飛んでいこうとします。

揺らして驚かすと転げ落ちるユニークな性質がありますが、これは花から落ちることで敵から逃げる彼らの策なのです。



ブナ科の多い園内ではやはりブナ科を好むカミキリの仲間が見られます。
f:id:aikawa_park:20210612144754j:plain
胸の部分にスペードのような模様があり、体にはを左右反転させたような模様があります。

たぶんエグリトラカミキリだと思われます。

トラカミキリの仲間は似た模様の物が多いのですが、そこが面白いですね。

先ほどの上に登る習性を上手く利用すると面白い写真を撮る事ができます。
f:id:aikawa_park:20210612145258j:plain
翅を広げるタイミングをこちらで用意することができるので、翅を広げた写真が撮れちゃうんですね。 網の上まで歩かせてみてください。


別の花でも同じようにがさがさしてみました。目に見えないだけでこんな小さなカミキリもいます。
f:id:aikawa_park:20210612145443j:plain
1cmちょっとの可愛いトゲヒゲトラカミキリがたくさんいました。

模様だけ見てしまっては先ほどのエグリトラカミキリにそっくりですよね。

感覚としては大きめのアリぐらいの大きさなので、初めて見るとカミキリムシだとは思えない昆虫だと思います。
f:id:aikawa_park:20210612145942j:plain
どうやら交尾中のようですね。カミキリは並べてみると♂♀で大きさが違うことがよくわかります。


今日はあまり知られていない小さなカミキリの仲間たちを紹介しました。

がたくさん咲いているような場所では近づいてみると花にくっついているこのようなカミキリの仲間が見つかることがあります。

ぜひ馴染みのない種類を探してみてください。

花で見つかるカミキリたちにはこんな種類もいます↓
aikawa-park.hatenablog.com

園内の虫に興味のある方は↓のカテゴリーから虫をポチポチしてみてください。

虫取りお役立ち情報では虫取りのコツ注意点などの情報が盛りだくさんです。虫たちの捕まえ方も紹介中です。
f:id:aikawa_park:20210602090158p:plain

自然について聞いてみたいことがある方は緑色のゼッケンを着た自然観察ガイドまでお気軽にお尋ねください。